本記事の目次
スコアが出ない。結果が安定しない。
それでも「練習量を増やさなかった」理由
スコアが出ない。
結果も安定しない。
ゴルフを続けていると、必ず一度は訪れる時期があります。
いわゆる「スランプ」と呼ばれるものです。
調子が良かった時期があるからこそ、
その落差に本人も、そして親も、不安になります。
「このままで大丈夫なのか」
「何か足りていないんじゃないか」
「もっと練習させた方がいいんじゃないか」
そんな言葉が、頭の中をぐるぐる回る。
普通に考えれば、
スコアが出ない=練習量を増やす
この選択をする人がほとんどだと思います。
でも、我が家はあえて違う選択をしました。
練習量を、増やしませんでした。
スランプの時ほど、気持ちはすでに追い込まれている
結果が出ない時、
本人が一番苦しんでいる。
これは、横で見ていて強く感じました。
スコアカードを見返す時間
ラウンド後の沈黙
何気ない一言に、必要以上に反応する様子
「何も言わなくても、もう十分考えているな」
そう思う場面が、何度もありました。
スランプの時期というのは、
外から見える以上に、内側では気持ちが追い込まれています。
・ミスしたショットが頭から離れない
・良かった時と比べてしまう
・周りの成長が気になる
・期待に応えられていない気がする
そこに、さらに
「もっとやらなきゃ」
「もっと練習しなきゃ」
「量が足りないんじゃないか」
この考えが重なると、
ゴルフそのものが楽しいものではなく、重たいものに変わってしまう。
それが、一番怖かった。
「正しいこと」が、正解とは限らない
練習量を増やすこと自体は、
決して間違いではありません。
むしろ、
・技術を磨く
・感覚を取り戻す
・自信をつける
という意味では、王道の選択です。
でも、それは
心が前を向いている時の話だと感じました。
気持ちが下を向いている状態で、
正論を積み重ねると、
それは刃になることもあります。
「正しいことをしているはずなのに、苦しい」
この状態に入ると、
抜け出すのに、ものすごく時間がかかる。
だからこそ、我が家は一度立ち止まりました。
あえて距離を置く、という選択
練習を減らしました。
ラウンド以外の時間を、意識的に増やしました。
ゴルフの話をしない日も作りました。
成績やスコアについて、触れない時間を増やしました。
正直に言えば、
親としては不安もありました。
「このまま感覚が鈍らないか」
「周りに置いていかれないか」
「この判断は正しいのか」
でも、結果を急ぐよりも、
気持ちが潰れてしまうことの方が、取り返しがつかない
そう思いました。
結果はすぐに出なかった。でも…
誤解のないように言うと、
この選択をしたからといって、
すぐにスコアが良くなったわけではありません。
成績は、しばらく変わらなかった。
むしろ、停滞しているようにも見えました。
でも、変わったものがありました。
表情が、少しずつ柔らかくなった。
ゴルフ以外の話をする時間が増えた。
「今日どうだった?」に、自然に答えるようになった。
スコアには出ない変化でしたが、
親から見れば、はっきりと分かる変化でした。
戻るタイミングは、本人が決める
しばらくして、
本人の口からこんな言葉が出ました。
「そろそろ、ちゃんと練習したい」
この一言が出た時、
正直、少しホッとしました。
でも同時に、
「これでよかったんだな」と思えました。
大事なのは、
親が「戻させる」ことではない
親が「決める」ことでもない
本人が、自分で「やりたい」と思える状態に戻ること。
これが一番大切だと感じました。
親ができるのは、環境を整えることだけ
スランプの時、
親ができることは、実は多くありません。
・技術的な正解を教えること
・気持ちを無理に上げること
・結果をコントロールすること
どれも、親にはできない。
できるのは、
安心して悩める環境を作ること
逃げ場を残しておくこと
戻りたい時に、戻れる場所を用意しておくこと
それだけだと思います。
スランプは、悪いものじゃない
スランプという言葉は、
どうしてもネガティブに聞こえます。
でも、振り返ると、
この時期があったからこそ、
・自分の気持ちと向き合う時間ができた
・ゴルフとの距離感を考えるきっかけになった
・「やらされる」から「やりたい」への変化があった
そう感じています。
結果が出ない時間は、
決して無駄ではありません。
ただ、扱い方を間違えると、傷になる
それだけです。
同じように悩んでいる親御さんへ
もし今、
・スコアが出ない
・結果が安定しない
・子どもが苦しそう
そんな状況にあるなら、
「もっと練習させなきゃ」と思う前に、
一度、立ち止まってみてください。
追い込めば伸びる時期もあります。
でも、追い込まない方が伸びる時期も、確実にあります。
その見極めだけは、
数字ではなく、
目の前の表情が教えてくれる気がします。
ゴルフは、長い競技です。
一度止まっても、やり直せる。
距離を置いても、戻ってこられる。
その余白を残しておくことが、
親の役目なのかもしれません。
結果よりも先に、
続けられる心を守る。
あの時、練習量を増やさなかった選択は、
今でも、間違っていなかったと思っています。
具体的に、どう距離を置いたのか
我が家の場合、距離を置くといっても、完全にゴルフから離れるわけではありませんでした。
たとえば、ラウンドや練習は週1回程度に減らしました。普段なら週4〜5回通っていた練習場にも行かない日を作りました。
その代わりに、家族で出かけたり、ゲームをしたり、友達と遊ぶ時間を意識的に増やしました。
「ゴルフ以外にも楽しいことはある」ということを、本人が肌で感じられるようにしたのです。
また、親としては「今は見守る期間」と決め、スコアやショットについて口を出さないようにしました。
つい「ここはこうした方がいいんじゃない?」とアドバイスしたくなる気持ちを抑えるのは大変でしたが、ここで余計なプレッシャーをかけないことが、本人の回復には不可欠だと感じました。
気持ちの回復に必要な時間は、人それぞれ
距離を置く期間は、正直に言うと焦りもありました。
「このまま上達のチャンスを逃してしまうのではないか」
「周りの子どもに置いていかれるのではないか」
親としての不安は当然あります。ですが、スランプ中の本人は、気持ちの整理がついていない状態です。
その状態で練習量を増やしても、逆に心が折れてしまう可能性があります。
ここで大事なのは、「戻るタイミングは本人が決める」ということ。
親が決めるものではありません。
本人が「そろそろやりたい」と思った時が、再スタートのベストタイミングです。
我が家では、そのタイミングをじっと待つことで、無理なくゴルフに前向きな気持ちを取り戻すことができました。
親としての学び
この経験を通して、親として学んだことがあります。
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スランプは決して悪ではない
結果だけに目を向けるのではなく、心の状態を優先することが大切です。 -
環境を整えることが親の役割
技術指導よりも、安心して挑戦できる環境や逃げ場を残すことの方が、長期的な成長には重要です。 -
焦らないこと
周りと比較して焦るよりも、本人のペースを尊重すること。焦らず待つことが、結果として成長につながります。 -
ゴルフ以外の時間の価値
勉強や遊び、友達との時間など、ゴルフ以外の体験が気持ちの回復に繋がります。
心が軽くなれば、再びゴルフに向き合う姿勢も自然と生まれます。
スランプは、技術的な停滞だけでなく、心の成長のための時間でもあります。
親としてできるのは、「守る」ことと「見守る」こと。
結果より先に、まずは心の健康を守ること。
この考え方が、我が家のジュニアゴルファーの成長に大きな影響を与えました。