成長を刻んだ2日間 — ジャパン ジュニア プレーヤーズ チャンピオンシップ 西日本決勝大会(2021年6月26日・27日/津カントリー倶楽部)
2021年6月26日(土)、小学4年生だった息子が初めて“遠征”の舞台に立った。
大会名は「ジャパン ジュニア プレーヤーズ チャンピオンシップ 西日本決勝大会」。
会場は三重県津市の津カントリー倶楽部。全国から集まった若きジュニアたちが、2日間・18ホール×2ラウンドの戦いに挑む。
この日は梅雨期の影響もあり、朝から曇りがちだったものの、雨はほとんど降らず、時折薄日が差す晴れ間も見えた。
フェアウェイには霧雨の影響もなく、風も弱く、比較的コントロールしやすいコンディション。風速は2〜4m/sほど、気温は20〜25℃前後の過ごしやすい天候だった。
初日:1ラウンド目(スコア:83打)
出発前、キャディバッグを背負う息子の後ろ姿を見て、これまでとは違う“遠征”という空気に、私の胸も高鳴った。
家族での車移動、付き添い宿泊、そして全国規模の大会。初めての経験が続く中、スタートホールで彼は深呼吸し、静かにティーショットを放った。
フェアウェイの芝質、グリーンの速さ、ホールごとに変わる風向き——どれもローカル大会とはまるで違う。
1ホールを終える頃には、普段の顔つきとは違う、真剣な表情がそこにあった。
この日のスコアは「83打」。
本人としては満足のいく内容ではなかったようだが、忘れられないシーンがひとつあった。
あるホールに、ドライバーの着地点に大きな岩の壁がある。
越えるには、距離と勇気が必要だ。
スコアを考えれば、刻むのが正解だったかもしれない。
しかし、まだ始めたばかりの小学4年生。
挑戦あるのみ——そう思っていたのだろう。
彼は一人、思い切りドライバーを振り抜き、見事に岩を越えた。
打った瞬間、思わず私も声が出た。
同組の子どもたちも驚いたようで、その瞬間だけは、息子が誰よりも大きく、頼もしく見えた。
その姿を見て、私は改めて感じた。
「ただ応援するだけではなく、成長を促す“見守り”こそが父親の役割なんだ」と。
2日目:2ラウンド目(スコア:82打/合計165打)
2日目の朝は、少し風が強まり、右からの風が頻繁に吹いた。
ティーショットの落とし所、グリーン手前のバンカー回避、そして距離感の微妙なズレ。
初日の反省を活かし、息子は落ち着いた打ち出しを見せた。
そして、またあの“岩の壁のホール”がやってきた。
前日の豪快なショットが話題になっていたのだろう。
ほかの選手たちがそのホールに集まり、「あいつ誰?」「どこの子?」と小声が聞こえる。
きっと瑛大にもその声は届いていたと思う。
前夜、ホテルでの会話を思い出した。
「みんな、めちゃくちゃうまい…。全然勝てないけど、お母さん、俺、明日一番飛ばしてくる!」
その言葉に、家族全員で「よし、それでいこう!」と一致団結した。
そして迎えたその瞬間。
多くの視線が集まる中、瑛大はドライバーを力いっぱい振り抜いた。
球は高く上がり、少しドロー回転をかけながら、再び岩の壁を越えていった。
前の組がグリーン上から見ていて、「ナイスショット!」と大きな声が飛んだ。
初めて試合で歓声を浴びた瞬間だった。
そのまま安定したプレーを続け、2ラウンド目は「82打」でフィニッシュ。
合計165打で表彰台には届かなかったが、前日よりも明らかに落ち着いたプレーだった。
ホールアウト後、息子は笑顔で言った。
「次は70台を目指したい。」
その言葉の中に、“楽しむ”から“挑む”へと変わった強い意志を感じた。
父親として、そしてゴルファーとして、胸が熱くなった。
学びと成長:親子で得た“遠征決勝”の意味
この遠征を通して、息子は技術だけでなく、ゴルフにおける「準備」「心の整え方」「環境への対応力」を学んだ。
そして私も、「送り出す親」「支える父」としての距離感を学んだ。
一般ゴルファーの私にとっても、この経験は大きな気づきをくれた。
ゴルフはクラブとボールのスポーツではない。
環境が変わっても、自分を信じ、状況を受け入れ、次へつなげる。
それこそが、ゴルフの本当の醍醐味なのだと感じた。
あの日の朝の空気、津カントリーのフェアウェイ、そして最後の一打。
息子の背中には、確かな“成長の跡”があった。
ゴルフはスコアではなく、「成長の記録」なのかもしれない。
おわりに
このブログでは、家族で挑むゴルフの物語を、父親の視点で綴っていきます。
次回は、「遠征で親として感じたサポートの理想と現実」について書く予定です。
どうぞお楽しみに。